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戦後生まれの三洋電機は若い企業といわれてきた。井植歳男が焼け跡から一代で総合家電メーカーに築き上げたのだが、もはや社員で創業者を知る者は一握りになっている。すでに33回忌まで済ませ、息子の私でさえ古希を超えた。時の流れのあまりの速さにたじろぐほどだ。
三洋電機が世に出て今年で56年。そのうち、父がかかわったのは22年に過ぎない。私の社歴はそれに倍する47年。多くの社員にとって父は遠い過去の人であり、私にとっても記憶のかなたと思われるかもしれない。
ところが、不思議なことに、年を経るごとにかえって身近な存在になってきた。時には今なお一緒に暮らしている気までする。思えば、これだけ年数を重ねて、ようやく父の創業の心が体得できたということではないか。初めて父と気持ちが一つになってきた、そんな感じがしてならない。私が生きている限り、父も生きているのだ。 |
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