ニュースリリース

記載されている内容は、価格・仕様等を含み全て記者発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なる場合がありますのでご了承ください。
2009年12月02日

世界初※1
「CO2冷媒採用 インバーター業務用冷凍庫」を開発

 三洋電機株式会社(以下、三洋電機)は、世界で初めて※1「CO2冷媒採用 インバーター業務用冷凍庫」を開発し、今後実用化を目指していきます。
 2009年11月4日から8日まで開催された「第21回 モントリオール議定書締約国会合(MOP21)」においても注目されたCO2冷媒は、現在の業務用冷凍庫の冷媒に主に使用されている代替フロン※2に比べ、地球 温暖化係数※3が約1/1430~1/3920と非常に小さく、地球温暖化防止に大きく貢献します。本開発は、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「代替フロン等3ガスの排出抑制設備の 導入・実用化支援事業」として採択され、小型化した「2段圧縮ロータリーCO2コンプレッサー」と高効率な冷凍サイクル「スプリットサイクル」の開発により、業務用冷凍庫のCO2冷媒採用と省エネ化を実現することができました。
 今回開発した「CO2冷媒採用 インバーター業務用冷凍庫」を使用することで、現行の代替フロンHFC冷媒(R404A)使用の業務用冷凍庫に比べ、電力起源のCO2排出量を最大15%※4削減可能であり、低炭素社会の実現と地球温暖化防止に貢献します。
 三洋電機は低炭素社会の実現と地球温暖化防止に向け、今後もCO2冷媒を採用した機器の開発と実用化を推進してまいります。

※1
2009年12月2日現在、業務用冷凍庫において
※2
代替フロン:特定フロン(クロロフルオロカーボン 略称:CFC)の代替として産業利用されている合成化合物であり、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類とハイドロフルオロカーボン(HFC)類のこと
※3
地球温暖化係数:大気中に放出された単位重量の当該物質が地球温暖化に与える効果を、CO2を1.0として相対値を表したもの
※4
当社試験データ。R404A冷媒採用の当社製一定速業務用冷凍庫との比較
◆関連WEBサイト
画像ダウンロードサイトはこちら ・・・ http://jp.sanyo.com/news/press/download.html

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Ⅰ.開発背景

 1987年採択の国際条約「モントリオール議定書」により、従来冷凍・空調機器に使用されていたCFC(クロロフルオロカーボン)等の特定フロンは、オゾン層を破壊し生態に影響を与え、地球温暖化の原因になる可能性があるため、生産・使用の段階的削減が義務付けられました。現在は、オゾン層を破壊しない代替フロンが冷凍・空調機器の冷媒として使用されています。しかし、代替フロンはオゾン層の破壊はしないものの地球温暖化係数はCO2冷媒の1に対し、1430~3920と高く、依然として地球温暖化に影響を与える懸念があるため、京都議定書において温室効果ガスとして排出が抑制されることになりました。代替フロンに代わる 冷媒として地球環境負荷の小さい自然冷媒がありますが、自然冷媒の中でもCO2冷媒は「毒性」「可燃性」がないという特性があります(参考資料)。
 三洋電機は2000年に国内初となる「2段圧縮ロータリーCO2コンプレッサー」を開発、翌2001年には家庭用のCO2ヒートポンプ給湯機(エコキュート)を発売、2007年に国内初となるCO2冷媒を使用したドリンク用 オープン・ショーケースを発売するなど、業界に先駆けてCO2冷媒を用いた商品を提供してまいりました。業務用冷凍庫もレストラン、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの食品保管に欠かせない機器であり、省エネ法のトップランナー基準の特定機器の指定※5が検討されるなど、地球温暖化防止のためのCO2排出抑制対応が求められています。

※5
トップランナー方式とは、自動車の燃費基準や電気製品等の省エネ基準を、それぞれの機器において現在製品化されている製品のうち最も優れている機器の性能以上にするという考え方

Ⅱ.「CO2冷媒採用 インバーター業務用冷凍庫」を実現した技術

1.小型を実現した当社独自の「2段圧縮ロータリーCO2コンプレッサー」

 CO2冷媒はHFC冷媒に比べ、約4~10倍ほど冷凍サイクル圧力が高いという特性があります。コンプレッサーでCO2冷媒を1回で圧縮しようとすると圧縮前後の圧力差が大きくなり、要求される部品の耐圧強度が 大きくなると同時に、圧縮に必要なモータートルクも大きくなってしまいます。
 当社のCO2コンプレッサーは冷媒圧縮を2回にわけて行う2段圧縮機構のため、1回で圧縮する場合と比べて、要求される部品強度、必要なモータートルクとも約半分に抑えることができました。その結果、コンプレッサー本体の小型化を実現し、今回、CO2コンプレッサーを内蔵した業務用冷凍庫の開発に成功しました。

2.高効率化を実現した当社独自の冷凍サイクル「スプリットサイクル」

 これまでのCO2冷媒の冷媒回路においては、周囲温度が高温となる運転条件(夏季周囲温度が30℃を  超えるような環境)の場合、遷臨界サイクル※6となりCOP(成績係数)※7がHFC冷媒回路より劣ります。そこで今回、三洋独自の「2段圧縮ロータリーCO2コンプレッサー」の特長を活用した「スプリットサイクル(登録商標)」を開発したことにより、COPを大幅に向上し、HFC冷媒回路に勝る特性を実現しました。
 CO2冷凍サイクルに「スプリットサイクル」を設けることで、無い場合と比べ20~30%効率が向上し、蒸発 温度が-30℃以下の場合では、高外気温度の条件下でもHFC(R404A)冷媒回路のCOPを上回ります。

※6
遷臨界サイクル:CO2冷媒の臨界点温度は、31.1℃と低くCO2冷媒を用いた冷凍サイクルでは臨界点を超えて遷臨界 サイクルとなります。超臨界状態では、気相と液相の明確な違いが存在せず、冷凍サイクルに凝縮過程がありません。
※7
COP(Coefficient Of Performance):成績係数と呼ばれ、冷房機器などのエネルギー消費効率の目安として使われる係数で、消費電力1kWあたりの冷却・加熱能力を表した値

Ⅲ.CO2削減効果予測

 「CO2冷媒採用 インバーター業務用冷凍庫」はHFC冷媒(R404A)使用の業務用冷凍庫に比べ、電力起源のCO2排出量を最大15%削減します。業務用冷凍冷蔵庫は年間約17万台の業界出荷があり、業務用冷凍庫を本製品に置換することで、約1.4万トン/年の電力起源のCO2排出削減※8ができ、全ての業務用 冷凍冷蔵庫をCO2冷媒に置き換えた場合、HFC冷媒約48トン※9(約19万トン・CO2換算)を自然冷媒化することができます。業務用の冷凍温度帯での高効率化技術を確立したことで、今後、幅広い冷凍・冷蔵機器へのCO2冷媒の応用が可能となり、さらに、最近懸念されてきたHFC冷媒漏洩による地球温暖化への直接影響を軽減することにも大きく貢献します。

※8
原単位 0.39kg-CO2/kWh、業務用冷凍庫1台当り年間平均4451kWhの電力消費として算出
※9
1台当り平均0.28kgのHFCを充填したとしての算出

お問合せ先 及び資料請求先

三洋電機株式会社 コマーシャルカンパニー 冷熱技術開発センター
グローバル商品戦略部  担当:石井 
〒370-0596 群馬県邑楽郡大泉町坂田1-1-1
TEL:0276-61-9050

参考資料:冷媒特性

 

自然冷媒

代替フロン

特定フロン

 

CO2
(R744)

イソブタン
(R600a)

アンモニア
(R717)

HFC
(R404A)

CFC
(R12)

オゾン破壊係数

0

0

0

0

0.9

地球温暖化係数

1

3

0

3920

10900

可燃性

不燃

強燃性

微燃性

不燃

不燃

毒性

なし

なし

劇物

なし

なし

備考

 

 

 

 

1996年全廃


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